ワークショップ,釧路

先日のチカップ美恵子展では何人かの人が質問していました。
思うんですよ。北海道に住んでいながら私たちは何もアイヌの文化や歴史をわかっていないのだと。
でもね今はたくさんの資料が残されてきている。
それをこの先どう読み解いていくかに北海道が繁栄していく鍵があるような気がします。

10年程前から年に数回アイヌ文化を受け継いでいるおじさんのところに行っていました。
織物用の植物を手間隙かけて糸にしたり、ござにしたりを手伝ったり、何気ない会話やの中で色んな事を教えて貰いました。
あれ、いつの間にmikaさん何でござを編むのを手伝っているの?みたいな光景があったり。
そういうことって資料館に行っただけではわからない事もたくさん。
アイヌの文化を何も知らないと思っていたのですが、いつのまにか教えられていました。
というかmikaさんは優しく叩き込まれていたのかもしれません。
数ヵ月後に出来たござに横たわるmikaさんを笑顔で優しく見守るおじさんがいるわけです。

大地と共に生きていくこと無しに、人と共に生きていくことは出来ない。
日々いろいろな事があるけれど流されず大地という足元を忘れないようにしなければ。


感触を確かめているmikaさん

Feeling

今日は道立釧路芸術館へチカップ美恵子展を見に行ってきました。
ちょうど運良く学芸員の方が説明をしてくれる時間でした。
作品を見に行っただけだったのですが、チカップ美恵子さんの人となりを聞く貴重な時間になりました。
説明を聞いているとあらためてアイヌ文化や精神性と北海道に住むという事に通じるものを感じました。
残されたノートには天上界についての下りがあり、自然や動物などの三次元世界だけではないものを感じられていたんだと思います。

会場には、タペストリーやテーブルクロス、衣装、鉢巻き、手さげ袋、刺繍の原画や動植物のイラスト画等様々な作品が展示されていて、詩やエッセイも読むことができました。
緻密で美しい文様が一面に刺繍された作品は、手にとってじっくり見たくなりましたがやっぱり触ることは出来ませんでしたが、チカップ美恵子さんが記した文章からは、アイヌ民族としての矜持、自然や人間に対する強い思いが伝わってきました。

美術館にはだいたい真ん中に作品を鑑賞する為の椅子がありますが、私は見るだけではなく作品の真ん中で目を閉じて作品のエネルギーを感じてみるようにしています。
都会の美術館では無理なのかもしれませんが…。
今日の作品から降りてきたメッセージは…「凛」。

6月27日までやっているそうです。
行ってみてください。アイヌ民族の文化に触れる貴重な機会です。