17年前の今頃。
屈斜路コタンに建っていたチセに立ち寄りました。
普段は寡黙でどちらかという怖い感じの男性。
そこではムックリの鳴らし方を教わりました。
コツを掴めない僕に手を取り、時間を掛けて。
それ以来、何度もそこを訪ねる事になります。
伝統的なゴザを、植物を煮出すところから行っていたり
訪ねるたびに僕たちが知らない新しい事をやっていたりしていました。
親程年の離れていた日川さんからは、いつの間にか「あんちゃん、よく来たな~」と言われるようになっていました。
その時にはこんなに長いお付き合いになるとは思わなかった。
縁って不思議なものです。
今年、初夏の頃、阿寒湖畔に住んでいる日川さんを訪ねました。
mikaさんが突然、「この人、日川さんにマキリを頼みたいんだって」と言い出しました。
以前から思っていた事でしたが、マキリは魔を切るもの。
恐れ多くて言い出せなかった僕に代わって言ってくれたのでしょう。
他の依頼もあるようなので「僕の分は後でお願いします」と言ったと思います。
ただ「わかった」と言って。
元鉄工所勤務と知っている日川さんに、これは自分でやれと渡されました。
1か月後やっと時間を作り少しずつ刃の加工を始めます。
一気にやろうとして電動工具を使うと刃が焼けてしまうので砥石で少しずつ。
まだまだ加工したい場所が残っている。
そんな矢先、お盆の入りと共に僕のもとに鞘と柄がやってきました。
日川清さんが、初めて彫った紋様だそうです。
そして、僕のものだからと鹿の角と日川さん自らがイラクサから撚った糸が使われていました。
ありがたいと思うと同時に、仕事の速さに頭が下がる思いです。
刃を早く鞘に納める事が出来るように頑張ります。
早く色が出てくるように、そして大切に使います。
いつもありがとうございます。